ドリル用語 JIS B 0171
JIS規格/ドリル用語 JIS B 0171/について。
適用範囲、分類[ドリルの種類(刃部材料及び表面処理による分類、構造による分類、シャンクの形態による分類、機能又は用途による分類、溝のねじれによる分類、ボデーの軸直角断面形状による分類、長さによる分類、用途による分類)、ドリルの要素、ドリルの角、ドリルの精度、ドリルの刃部の損傷、ドリル一般]、ドリルの名称の呼び方、用語及び定義など。
ドリル用語(JIS B 0171) では、主に金属を切削するための工具として一般的に用いられるドリル(先端に切れ刃をもち、また、ボデーに切りくずを排出するための溝をもつ、主として穴あけを行うのに用いる工具。)の呼び方や用語とその定義について規定されています。
JIS規格における、ドリル用語(JIS B 0171) の正式名称は以下です(英文含む)。
JIS B 0171:2005 ドリル用語
Twist drills - Terms, definitions and types
ドリルに関するドリル用語の分類、用語及び定義など、詳しくはこちらからご確認ください。
切削工具
以下、ドリル用語(JIS B 0171) の概要です。(JIS規格本文より引用)
1.適用範囲この規格は、主として金属切削用として一般に用いるドリル(1)の呼び方及び用語並びにその定義について規定する。
注(1)
先端に切れ刃をもち、また、ボデーに切りくずを排出するための溝をもつ、主として穴あけを行うのに用いる工具。備考:この規格の対応国際規格を、次に示す。
なお、対応の程度を表す記号は、ISO/IEC Guide 21 に基づき、IDT(一致している)、MOD(修正している)、NEQ(同等でない)とする。
・ISO 5419:1982 Twist drills - Terms, definitions and types (MOD)2.分類
ドリルの用語の分類は、次による。
a)ドリルの種類
1)刃部材料及び表面処理による分類
2)構造による分類
3)シャンクの形態による分類
4)機能又は用途による分類
4.1)溝のねじれによる分類
4.2)ボデーの軸直角断面形状による分類
4.3)長さによる分類
4.4)用途による分類
b)ドリルの要素
c)ドリルの角
d)ドリルの精度
e)ドリルの刃部の損傷
f)ドリル一般3.ドリルの名称の呼び方
ドリルは、 2.a) に示す分類の順に該当する用語を組み合わせて呼ぶ。
なお、刃部材料(2)に高速度工具鋼を用いたドリル、構造がむく(3)、付刃、溶接、組立又は差込のドリル、溝のねじれ(4)が右のねじれドリル、長さ(5)がレギュラレングスのドリルは、これら(次の例の括弧内の語)を省略して呼ぶ。注(2)
刃部材料に超硬合金を用いたドリルの場合、”合金”を省略して呼ぶ。
注(3)
刃部材料に高速度工具鋼以外を用いたドリルの場合、むくを省略しない。
注(4)
溝のねじれが右ねじれのドリルの場合、”右ねじれ”を省略して呼ぶ。
注(5)
長さがレギュラレングスのドリルの場合、”レギュラレングス”を省略して呼ぶ。<例1>
【呼び方】:ストレートシャンクドリル
【刃部材料及び表面処理】:(高速度工具鋼)
【構造】:(むく)
【シャンクの状態】:ストレートシャンク
【溝のねじれ】:(右ねじれ)
【ボデーの軸直角断面形状】:−
【長さ】:(レギュラレングスドリル)
【用途】:−<例2>
【呼び方】:テーパシャンク油穴付き複溝段付きドリル
【刃部材料及び表面処理】:(高速度工具鋼)
【構造】:(むく)
【シャンクの状態】:テーパシャンク
【溝のねじれ】:(右ねじれ)
【ボデーの軸直角断面形状】:油穴付き複溝
【長さ】:−
【用途】:段付きドリル<例3>
【呼び方】:超硬むくストレートシャンク直刃段付きドリル
【刃部材料及び表面処理】:超硬(合金)
【構造】:むく
【シャンクの状態】:ストレートシャンク
【溝のねじれ】:直刃
【ボデーの軸直角断面形状】:−
【長さ】:−
【用途】:段付きドリル<例4>
【呼び方】:超硬チタンナイトライドコーティングテーパシャンクコアドリル
【刃部材料及び表面処理】:超硬(合金)チタンナイトライドコーティング
【構造】:(付刃)
【シャンクの状態】:テーパシャンク
【溝のねじれ】:(右ねじれ)
【ボデーの軸直角断面形状】:−
【長さ】:−
【用途】:コアドリル4.用語及び定義
ドリルの用語及びその定義は、次による。なお、参考のために量記号、単位及び対応英語を示す。
備考1.
用語の一部に括弧を付けてあるものは、括弧の中の用字を省略してもよい。
備考2.
用語欄で用語の下の括弧付きの仮名書きは、読み方を示す。
備考3.
用語の定義の中の太字で示した用語は、この規格で規定しているものである。
備考4.
図は一例を示すものであって、形状及び大きさを表すものではない。
なお、図中の括弧内の数字は、この規格の用語の番号を示す。1)a)ドリルの種類
1)刃部材料及び表面処理による分類
2)構造による分類
3)シャンクの形態による分類
4)機能又は用途による分類
4.1)溝のねじれによる分類
4.2)ボデーの軸直角断面形状による分類
4.3)長さによる分類
4.4)用途による分類
b)ドリルの要素
c)ドリルの角
d)ドリルの精度
e)ドリルの刃部の損傷
f)ドリル一般(以上、分類のみ列挙。詳細は割愛)
詳細 ⇒ 切削用具関連規格
・JIS B 4003 工具用テーパシャンク部及びソケット-形状・寸法
・JIS B 4301 ストレートシャンクドリル
・JIS B 4302 モールステーパシャンクドリル
・JIS B 4304 センタ穴ドリル
・JIS B 4305 ストレートシャンクロングドリル
・JIS B 4306 モールステーパシャンクロングドリル
・JIS B 4307 ストレートシャンクスタブドリル
・JIS B 4308 スターティングドリル
・JIS B 4313 高速度工具鋼ドリル-技術仕様
・JIS B 4314 ミーリングシャンクドリルの形状・寸法